花菖蒲

花しょうぶの系統



(1)ノハナショウブ
ほぼ日本中に自生しているが、比較的 冷涼な所を好み、東北~北海道や朝鮮半島、中国北部、シベリア南部にも分布がある。北方型の植物。

(2)古種(長井古種)
江戸時代の始め頃~中期にかけ、各地に自生していたノハナショウブの中から、品種が作られ、栽培初期の品種群と思われるものが、山形県長井市のあやめ公園に集められ長井古種として現在に伝えられている。野趣に富んだ容姿のものが多い。

(3)江戸系
江戸中期頃、わが国最初の花しょうぶ園が掘切(東京 葛飾)に開かれ(小高園)名所のひとつとなり、活況をみせ始め、また、旗本の松平佐金吾(菖翁)は100種類を超える優れた品種を作り、不朽の名著『花菖蒲培養録』を残し、この頃本格的な花しょうぶ文化が大成された。こうして、江戸で大成され、主に庭園に群生させて、鑑賞するように作られた品種群。

(4)肥後系
江戸時代後期 肥後の藩主 細川斎公(なりもり)が松平佐金吾(菖翁)より、花しょうぶを譲り受け、藩士に栽培、育種を奨励し、室内鑑賞(鉢植え)を対象とした品種を作り出させ、発達した品種群。この系統は門外不出という藩のおきての為、広く一般にひろまったのは昭和に入ってからで、戦後は花しょうぶの主流を占める。優雅な大輪の花で、花弁が大きく、程よく垂れ、堂々とした風格に特徴があります。

(5)伊勢系
江戸、肥後系とは別に、松阪の吉井定五郎により、栽培が始められ、発達した品種群が伊勢系。花弁が深く垂れ下がり、ちりめん地で 肥後系の男性的なイメージに対し 伊勢系は女性的で繊細な感じがある。ピンク~白色系が多い。

苗購入後の育て方

●苗の定植 8月~9月上旬
初めての方は、苗を一度ビニールポット(12cm)に植えて,乾かさぬようにこまめに水やりを行う。約2週間ほどで 根が出てきますので、それを確認してから、畑に植えてください。
慣れた方は、一晩くらい苗を水につけてから、畑に植え根が出てくるまで、乾かさないようにしてください。

●肥料(元肥) 8月~9月上旬
苗を植え、根が出てきた頃に有機質肥料などの緩効性肥料(油かす等)を施す。定植2年目以降の株は、花が終わったらすぐに与えてください。
※ この時期の肥料は たっぷりと与え 株の充実を図ることが大事

●茎刈 11月頃
霜が降り、枯れ始めたら 地際から10~20cmの高さで、茎を刈り取った方が翌春の作業が楽です。

●肥料 (追肥) 5月中旬頃
札幌だとゴールデンウィーク前後に芽が出てきますので、芽の長さが20~30cmの長さになったら、肥料を与えてください。

●病害虫 5月~7月
5月頃より6月末頃までアヤメキバガ(蛾の幼虫)、ショウブオオヨトウが発生します。これには開花する7月までに、2、3回(一ヶ月に一回の割合)オルトラン粒剤等を株元に散布し、予防に努めます。
(春先 雪どけ後 枯葉を焼却するとショウブオオヨトウの卵をある程度 殺卵)
5月中旬頃、よく株元を観察して、虫に食われた跡を見つけたら、その中に幼虫がいますので、他の茎に移る前に、早めに手でつぶしてください。
※いまのところ他にも病害虫はありますが、本道では、ほとんど発生が少なく、主な病害虫は、このアヤメキバガ、ショウブオオヨトウだけです。

●開花 7月
定植後 翌年は 花も小さく、弱々しいのしか上がってきませんが2年目以降は本来の姿をだして、大きな花が上がってきます。

●株分け 8月~9月
株分けは毎年行うのではなく、3~5年に一回の割合で行います。この株分けを行わないと株が枯れてなくなります。
<方 法>
1.掘りあげて、土を水でよく洗いおとします。


2.茎を中心に割り下げ、二つに大割りしてから、定植苗(2~3芽)にし、高さ20㎝に切りつめます。


3.植えつけの間隔は、25~30cmとし、倒れない程度の深さ(3~5cm)に植えてください。


4.定植時は苗を水揚げしてから植え、肥料をやらない。肥料は根が出てから。


5.植えつけ後2~3週間は乾燥しないように水を与えます。

<場 所>
日当たりよく、水はけの良いところ。花のある期間は、水のはった池でも良いが、春先から、水の中に入れると黄変し、腐ります。また、花菖蒲はいや地を起こしやすく、できればいままで植えてなかった所に植えてください。どうしても、同じ場所で、植える場合はピートモスを多めに畑に入れ、混ぜてから植えてください。

※ 花菖蒲は酸性植物ですから、石灰は必要ありません。
※ 花菖蒲はもともと 北方型の植物で、北海道には適した植物です。花後の肥料入をたっぷりやり、定期的に株分けを行い、アヤメキバガ防除等の管理ポイントさえ、守り行っていけば育つ植物で決して難しい植物ではありません。ぜひ、この説明を参考にして、お庭、鉢等で育ててみてください。
( この栽培基準は、あくまでも札幌 基準です。)

花しょうぶ アヤメ カキツバタの違いについて

アヤメ科アヤメ属には、世界で約250種もあり、(花しょうぶはこのうちのノハナショウブをもとに交雑され、何千もの園芸品種が作り出されている。)それらの原種のうち 『いずれがあやめかきつばた』 という言葉があるように、区別が難しい「花しょうぶ」「アヤメ」「カキツバタ」の違いについてわかりやすく説明します。

●花しょうぶ(ノハナショウブ)
開花時期(札幌基準) ・・・・・  6月下旬~7月下旬
生育環境  ・・・・・ 日当たりがよく水(湿地)を好むが、年中水がたまる場所では生育できないため、開花期のみ水をためて花後は畑の状態に戻す。
 ・・・・・ 外花被(下の花びら)の元に黄色の目型の模様が入る
 ・・・・・ 葉の主脈である。筋が 表側に1本、裏側に2本突出している。



●アヤメ
開花時期(札幌基準) ・・・・・  6月上中旬
生育環境  ・・・・・ 日当たりがよく、水はけの良い乾いた所を好む
 ・・・・・ 外花被(下の花びら)の元に網目状の模様が入る
 ・・・・・ 花しょうぶに比べ葉は細く葉の主脈は突出していない。




●カキツバタ
開花時期(札幌基準) ・・・・・  6月中下旬
生育環境  ・・・・・ 湿地を好む
 ・・・・・ 外花被(下の花びら)の元に白色の目型の模様が入る
 ・・・・・ 花しょうぶに比べ葉はやや広く葉の主脈は突出していない



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